<史料と資料 江戸時代など>



月季花譜
芸海一勺

楊守敬
(あるいは)評花館主
農學叢書
清代か?
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清時代に書かれた『農學叢書』の最終章である。

バラの培養・増殖・冬越し・虫害などについて述べ、さらに「佳種」として当時の54品種を挙げる。

すべてをここに列記したが、当用漢字に変換したものもある。また表示のできない漢字は○に代えた。


藍田碧玉 金甌泛緑 朝霞散綺 ○國淡妝
赤龍含珠 曉風残月 淡抹鵝黄 春水緑波
六朝金粉 玉液芙蓉 漢宮春曉 漢口黄
猩紅海棠 通草寶相 南海天竹 ○容三変
雨過天青 岳陽三醉 珠盤託彩 飛燕新妝
國色天香 銀紅牡丹 桃湖春曉 西施醉舞
朱衣一品 小玉樓 大富貴 黒葵
一捻紅 洞庭秋月 杏花天 紫驪珠
映日荷 宿雨含紅 丹桂飄香 楓葉蘆花
歓合巫山 緑珠春醉 血芽黄 金砂寶相
醉青蓮 醉楊妃 粉妝波斯 銀紅卍字
七寶冠 佛背回光 冰輪 秋水芙蓉
荳緑芙蓉 ○緑 緑葵 玉樓春
朱衣象笏 玉顔紅汗

これらのなかで'國色天香'と'映日荷'の品種名に覚えがある。

'醉楊妃'というのは、もしかしたら……'Tipsy Imperial Concubain'??'春水緑波'ってアノ品種なのだろうか??

「金」もしくは「黄」のつく品種が5つもある。それらのうち幾つかは黄色に咲いたのだろうか。「緑」「碧」「青」「藍」といった、寒色系を想起する漢字も使われている。「玉」「珠」「曉」を使った品種名も複数ある。花の様子を丸く美しいものに例えたのだろうか。

'佛背回光'  '玉顔紅汗'  '血芽黄'  '銀紅卍字'……こららはどんな花……?

当時のバラに想像が膨らみ、知りたい欲求が沸々とわき上がる(ちなみに品種名のなかに '粉粧楼' は含まれていない。また本文のなかにも'長春'は使われていない)。

幾つかの漢名を並べてみたら、春を謳った詩のように見えてきた。

春水緑波  桃湖春曉  楓葉蘆花  緑珠春醉
雨過天青  宿雨含紅  曉風残月  漢宮春曉



1890-1899 1900-1909 1910-1919 1920-1929 1930-1939 1940-1949 1950-1959 1960-1969 1970-1979 1980-1989 1990-1999 2000-2009



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